最初から
夜の九時。
部屋に戻って、真っ先に束を数えた。
一、二、三、四。
四つ。合ってる。
放課後のリンクは40分。
曇りの日の氷は、ちょっと硬い。
硬い氷、嫌いじゃないわ。エッジの音がはっきりするから。
昼休みは、郵便棚の前で葵が千鶴の袋を読んで騒いでた。
当日まで言わない約束でしょ、って止めてやった。
千鶴、真っ赤になって固まってたし。
で、夕食。
三十一日は二十時から回る、って決まったところまではよかったの。
真琴が、自分の表の見出しを読み上げた。
「一部屋一つ」
は?
訪ねてくるのは四人でしょ。
戸口に四人立ってて、一つだけ渡してどうするのよ。
「四人なんだから、四つに決まって——」
そこまで言って、気がついた。
全員、こっち見てた。
「べ、別に、もう用意してるなんて言ってないわよ」
……言ってないわよ。
言ってないけど、今の、言ったのと同じじゃない。
ルナが、ゼロがどうとか言ってた。
千鶴は、たぶん前髪の下で笑ってた。
結局、四人に一つずつ、になった。
最初からそう言ってるのに。
中身までは、ばれてない。
数だけ。
窓辺に、四つ。
四人に、一つずつ。
あたしの計算は、最初から合ってたのよ。