氷の上の服
仮装って、何を着ればいいのよ。
練習のない午後。
通り雨は午前で上がって、窓から日が入ってきた。
窓辺の束を、指でさわってみた。
ローズマリー。四つ。
葉の先は、もう、かさっとしてる。
でも茎の芯のところは、まだ曲がる。
晴れてくれたから、あと二日でどこまで乾くか。
で、仮装。
クローゼットを開けた。
白銀の衣装。練習用のワンピース。予備の衣装。
タイツ。スケート用の手袋。
……氷の上の服ばっかりじゃない。
あとは、パーカーとショーパン。
これはいつもの服。仮装じゃない。
氷の上の服を着て、廊下で戸口に立つ?
それじゃ、ただの衣装合わせよ。
島の物で足りるって、月曜に言い切ったのはあたし。
島にあるもの。
寄宿舎の中にあるもの。
南側の商店街にあるもの。
南側の、文具店。
画用紙とか、色紙とか、置いてあった気がする。
黒、あるかしら。
あした、放課後に寄ってみる。