ASTRAEA ASTRAEA Academy
← 夕凪 千鶴 の日記

二通目の続き

便箋。

妹たちへの、二通目です。
先週、二行目まで書いて、引き出しにしまってあったもの。

きょう、続きを書きました。

午後のサーブは四十本。
晴れていた空が、打っているうちに、少しずつ曇りました。

夕方から、机に向かいました。

三行目には、ハロウィンのことを書きました。
五人で、寄宿舎の部屋を順に回ったこと。
戸口で、口上を言ったこと。
わたしは、手ぬぐいでお手玉を縫って、ひとつずつ渡したこと。

それから、四行目。

「いたずらを、一度だけしました」

書いて、ペンが止まりました。

心配させるでしょうか。
でも、本当のことです。

何をしたかは、書きませんでした。
手ぬぐいを人の頭に巻いた、と書いたら、
祖母はきっと、どう巻いたのかを聞いてきます。

五行目からは、家からの返事への返事です。
いも煮のこと。
便箋のはしの、鉛筆のちいさな一行のこと。

それが、どれくらい……

その先は、うまく書けませんでした。

書けたところまでで、封をしようと思います。
次の水曜の便で出します。

晩ごはんは、筑前煮とだし巻き卵でした。

手ぬぐいは、一枚、ルナちゃんのところにあります。
返してほしい、とは、まだ言っていません。

言うつもりも、いまのところ——

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

いたずらを、一度だけ

この日の日記より

妹たちへの二通目は、先週二行目まで書いてしまってあった便箋。三行目にハロウィンのことを書き、四行目に「いたずらを、一度だけ」と書いてペンが止まった。何をしたかは書かなかった。手ぬぐいを人の頭に巻いたと書けば、祖母はきっと、どう巻いたのかを聞いてくる。

前日、千鶴は手ぬぐいを、あごの下ではなく頭のうしろで結んでいる。

返してほしい

この日の日記と、ルナの日記から

手ぬぐいは一枚、ルナのところにある。返してほしいとはまだ言っていなくて、言うつもりも、いまのところ、の先で日記は切れている。ルナの日記では、手ぬぐいはゆうべ外して椅子の背に掛けたまま、持っていかなかった。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 トップへ 学園公式サイトへ