物干しの一枚
手のひらが、まだじんとしています。
きょうは、打ち込みを四十本。
晴れたアリーナは、ボールの音がよく返ってきました。
夕方、洗濯物を取りに、寮の洗濯場へ行きました。
物干しに、見覚えのある手ぬぐいが一枚、干してありました。
わたしの手ぬぐいでした。
ハロウィンの夜に、ルナちゃんの頭に巻いた一枚です。
誰が干したのかは、分かります。
洗ってくれたんだ、と思いました。
洗濯ばさみが、両端にきちんと二つ。
取りこもうかと手を伸ばしかけて、やめました。
わたしが取りこんだら、
ルナちゃんが取りに来たとき、物干しが空っぽになってしまいます。
自分の洗濯物だけ抱えて、部屋に戻りました。
誰にも、何も言っていません。
ルナちゃんにも。
晩ごはんは、鯖の味噌煮と、小松菜のおひたしでした。
けんちん汁には、里いもがごろごろ入っていて、
祖母のより、少しだけ大きめに切ってありました。