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← 夕凪 千鶴 の日記

物干しの一枚

手のひらが、まだじんとしています。

きょうは、打ち込みを四十本。
晴れたアリーナは、ボールの音がよく返ってきました。

夕方、洗濯物を取りに、寮の洗濯場へ行きました。

物干しに、見覚えのある手ぬぐいが一枚、干してありました。

わたしの手ぬぐいでした。
ハロウィンの夜に、ルナちゃんの頭に巻いた一枚です。

誰が干したのかは、分かります。

洗ってくれたんだ、と思いました。
洗濯ばさみが、両端にきちんと二つ。

取りこもうかと手を伸ばしかけて、やめました。
わたしが取りこんだら、
ルナちゃんが取りに来たとき、物干しが空っぽになってしまいます。

自分の洗濯物だけ抱えて、部屋に戻りました。

誰にも、何も言っていません。
ルナちゃんにも。

晩ごはんは、鯖の味噌煮と、小松菜のおひたしでした。

けんちん汁には、里いもがごろごろ入っていて、
祖母のより、少しだけ大きめに切ってありました。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

物干し

この日の日記より

夕方の洗濯場で、ハロウィンの夜にルナの頭に巻いた自分の手ぬぐいが干してあった。洗濯ばさみが両端にきちんと二つ。取りこもうと手を伸ばしかけてやめたのは、ルナが取りに来たとき物干しに何も無くなってしまうから。

ルナの日記では、朝に洗い、夕方取りこむときに洗濯ばさみの位置が朝のままだと気づいている。

誰が干したのか

この日の日記より

誰が干したのかは分かる、と書いて、千鶴はその名前を書かない。洗ってくれたんだ、とだけ思って、自分の洗濯物だけ抱えて部屋に戻った。誰にも何も言っていない、ルナにも。

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