顔つきの路面
通り雨のあと、
サーキットの路面は
場所ごとに違う色をしていた。
濡れているところ。
乾きかけのところ。
木陰で、まだ黒いところ。
きょうは攻める日じゃない。
ゆっくり回って、
色と滑り方の対応を覚えた。
同じ一周の中に、
路面がいくつもある日は、
覚えることが多くて退屈しない。
予習した雨とは、
やっぱり少し違った。
そこは収穫として持って帰る。
夜は新米だった。
夕凪が背すじをのばし、
久遠寺が審査を始め、
七瀬が三杯食べていた。
オレは、違いを計ろうとして、
言葉が出てこなかった。
まあ、うまかった。それが結論だ。
覚えることの多い、水曜日の島。