空いた一段
棚は、五段ある。
日曜の午後、
工具棚を秋の並びに入れ替えた。
夏のあいだ一軍だった
冷却スプレーと遮熱の道具は、
いちばん下の段へ。
かわりに、カイロ二箱と、
雨天用の手袋と、
タイヤを温める季節の道具を上へ。
入れ替えが終わったら、
真ん中に一段、まるごと空いた。
夏の道具は、
思ったより小さい箱に収まった。
季節をひとつ、
棚から下ろした感じだ。
空いた一段は、
そのままにしておく。
遠征の月は、
持ち出しと戻しで棚が呼吸する。
空きは、そのための余白だ。
夕食のとき、
ラウンジの時刻表に
最初の丸印がついたと聞いた。
棚の余白と、時刻表の丸印。
九月の準備というのは、
どこも席をひとつ
空けるところから始まるらしい。
オレの棚は、もう準備ができている。