ASTRAEA ASTRAEA Academy
← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

空いた一段

棚は、五段ある。

日曜の午後、
工具棚を秋の並びに入れ替えた。

夏のあいだ一軍だった
冷却スプレーと遮熱の道具は、
いちばん下の段へ。

かわりに、カイロ二箱と、
雨天用の手袋と、
タイヤを温める季節の道具を上へ。

入れ替えが終わったら、
真ん中に一段、まるごと空いた。

夏の道具は、
思ったより小さい箱に収まった。

季節をひとつ、
棚から下ろした感じだ。

空いた一段は、
そのままにしておく。

遠征の月は、
持ち出しと戻しで棚が呼吸する。

空きは、そのための余白だ。

夕食のとき、
ラウンジの時刻表に
最初の丸印がついたと聞いた。

棚の余白と、時刻表の丸印。

九月の準備というのは、
どこも席をひとつ
空けるところから始まるらしい。

オレの棚は、もう準備ができている。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

一段、まるごと空いた

この日の日記より

日曜の午後、五段の工具棚を秋の並びに入れ替えた。冷却スプレーと遮熱の道具はいちばん下へ、カイロ二箱と雨天用の手袋とタイヤを温める道具は上へ。夏の道具は思ったより小さい箱に収まって、真ん中に一段まるごと空いた。

工具棚 道具の段 空いた一段

席をひとつ

この日の日記より

空いた一段は、持ち出しと戻しで棚が呼吸するための余白として、そのままにしておく。夕食のときに、時刻表に最初の丸印がついたと聞いた。棚の余白と時刻表の丸印を、ルナは同じ九月の準備として並べている。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 公式サイトへ