ASTRAEA ASTRAEA Academy
← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

先に行かせる

ラウンジの窓から見える海が、
きょうは灰色だった。

曇り。風は南寄り。
数字にすると、たいした風ではない。

掲示の時刻表。
第2週の便の丸印。

その下に、事務室の人が
オレの名前を書き入れた。

それだけのことだ。

本土の合同走行会。
順位はつかない。走るだけの会だ。

部屋で目録を作った。

マシン一台。
タイヤ一セットと予備が二本。
工具箱。ヘルメット。替えのグローブ。

人と荷物は、同じ船には乗らない。
荷は水曜の供給船で先に出す。
オレは日曜の臨時便で追う。

向こうで先に待っているのは、
オレではなく車のほうになる。

順番としては、正しい。
車は自分で歩かないし、
オレは荷台では眠れない。

廊下で夕凪に呼び止められた。

持っていくものはあるか、と。
いや、いい。工具は自分で選ぶ。

断ってから、
断り方が短すぎたかと少し考えた。

考えたところで、
言い直す言葉は出てこない。

夜、車庫で目録を読み返した。
足りない道具はひとつもない。

足りないのは、日にちだけだ。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

先に待っている

この日の日記より

行き先は本土の合同走行会。順位はつかない、走るだけの会。人と荷物は同じ船に乗らず、荷は水曜の供給船で先に出して、ルナは日曜の臨時便で追う。

臨時便で追う 荷を先に出す 水曜の供給船 向こうで車が先

足りないのは、日にちだけ

この日の日記より

夜、車庫で目録を読み返した。マシン一台、タイヤ一セットと予備が二本、工具箱、ヘルメット、替えのグローブ。足りない道具はひとつもなくて、足りないのは日にちだけ。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 公式サイトへ