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← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

空いた車庫

「あとはこっちでやっておくから」

桟橋で、船の人にそう言われた。

オレの手から台車の取っ手が離れて、
それで終わりだった。

荷札が一枚足りず、
工具箱だけ手書きになった。

インクの色が違うだけで、
中身は何も変わらない。

昼を過ぎて、車庫へ戻った。

床のオイルの跡が、
車のあった場所を四角く残している。

壁の棚も半分は空だ。

しばらく立って、見ていた。

手が余る。

この感覚は初めてだ。

競技の日にも待つ時間はある。
だがその時、手はハンドルの形をしている。

いまは何の形でもない。

指を握って開いてみたが、
それで収まるものでもなかった。

夜は鯖の味噌煮だった。

澪川が段取りの紙を
ポケットに入れたまま食べていた。

もう用済みのはずだが、
本人が持っていたいなら、それでいい。

明日から三日、オレは走らない。

何をするかは、明日決める。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

手が余る

この日と9/6の日記より

昼過ぎに車庫へ戻ると、床のオイルの跡が車のあった場所を四角く残していて、壁の棚も半分は空。競技の日の待つ時間なら、手はハンドルの形をしている。いまは何の形でもなくて、指を握って開いても収まらない。

4段 9/6 半分 9/9 工具棚

持っていたいなら

この日の日記より

桟橋で「あとはこっちでやっておくから」と言われて、台車の取っ手が手から離れた。夜、真琴が段取りの紙をポケットに入れたまま食べていた、とルナは書く。用済みのはずでも、本人が持っていたいならそれでいい、と。

明日から三日、ルナは走らない。何をするかは明日決める。

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