四十分
十三時三十分。
いつもならヘルメットをかぶる時刻だ。
きょうは何もかぶらない。
体育館の隅を借りて、
体幹と首の補強を四十分やった。
首は大事だ。
横向きのGを受け続けるのは首で、
走らない期間ほど早く落ちる。
理屈は分かっている。
問題は、終わったあとだ。
四十分。それがきょうの数字だ。
だがオレの一日は、
これまでずっと周回数で数えてきた。
十八周。十一周。二十三周。
周回は、走った分だけ増える。
増えた分だけ路面の情報が手に入る。
四十分は、何も増えない。
減るのを遅らせているだけだ。
無駄ではない。それは分かる。
だが、紙に書きつけたときの
手ごたえが違う。
十八周と四十分は、
同じ欄に並べていい数字なのか。
答えは出さない。
出すには早い。
夜はロールキャベツだった。
切ると中から肉が出てくる。
何が入っているか知っているのに、
毎回、切るところまで確かめている。
こういう手順は、悪くない。