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← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

2キロ

測定日。
進入速度、全周で去年より2キロ上げた。
フロントが逃げる直前の音、湿ってない路面で聞こえる帯域を、
今日いくつか特定した。
数字を置いた。

夕方、シャワーの後で父の書類を引き出しから取り出した。
3枚目まで読んで、封筒に戻した。
全部読めば感情が動くと知っていた。
少しだけ、と刻んだのは、自分の閾値の探り方だ。

食堂で澪川に2キロ、と伝えた。
あの女は0.4秒縮めた、と返した。
数字の交換は、言葉の空隙を埋める。
信頼と効率は同じ回路の別の出力、
と昨日書いたが、それは合っている。

久遠寺には数字で3ループを聞いた。
10本中7本、3拍遅れ、と返してきた。
数字で聞ける相手は限られる。
あの女は含まれる。

夕凪が食堂で、お茶あったかいの残ってる、
と言ってきた。
声が震えなかった。
数字は分からないと自分で言った。
分からなくてもいい、と付け足したところが、
あの子の言葉の使い方だ。

七瀬がラウンジで全員の数字を復唱した。
記録帳係、と澪川が呼んだ。
オレは頷いただけ。
悪くない役だ。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

2キロ

この日と7/14の日記より

測定日、進入速度を全周で去年より2キロ上げた。湿っていない路面でも、フロントが逃げる直前の音が聞こえる帯域を、いくつか特定して数字を置いた。前の日までは、名前で呼べないままでいい、と書いていた帯域。

数字で聞ける相手

この日のルナと凜の日記より

食堂で真琴に2キロと伝えて、0.4秒縮めたと返された。凜には数字で3ループを聞いて、10本中7本、3拍遅れ、と返ってきた。凜の日記には、数字だけを聞きに来る相手には感情を差し出さずに済む、とある。

分からなくてもいい

この日の日記より

千鶴が、お茶あったかいの残ってる、と言ってきて、声が震えなかった。数字は分からないと自分で言って、分からなくてもいいと付け足したところを、ルナはあの子の言葉の使い方だと書いている。

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