月より団子の夜
もちもち、って感触を、
口の中がまだ覚えてる。
きょうは十五夜。
夜ごはんは秋刀魚と、
衣かつぎと、なめこのお味噌汁。
そして20時半から、
テラスでお月見でした。
行ってみたら、
テラスの電球がひとつ切れてて、
新しい球は、次の船が
来るまでおあずけなんだって。
だから明かりは、
お月さまだけ。
お団子の数を数えるのに、
みんなでお皿に
顔を寄せることになった。
暗いところで五人の頭が
お皿の上にぎゅっと集まってるの、
あれ、たぶん月から見たら
変な生きものだったと思う。
葵のぶんのお団子は、
気づいたら消えてました。
葵の口の中にです。
みんなより早かったのは、
競技と関係ない速さだから、
自慢にはしません。
でもね、月もちゃんと見たよ。
まんまるで、明るくて、
電球の代わりを
ひとりでやりきってた。
筋肉痛は、まだ少しいる。
けど、もちもちのお団子と
まんまるの月で、
だいぶ薄まった気がする。
空っぽのお皿の上の、月あかり。