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← 七瀬 葵 の日記

棚の上の数字

99:59。

朝ごはんを取りに行ったら、
食堂の備品棚に、あの白いタイマーが戻ってた。

画面に、その数字が出たまま、止まってた。

きのうの夜、ルナっぴを計りはじめたやつ。
はじめのボタンは、葵。

止めたのは……あれ、だれだっけ。

じっと見てたら、なんか、
胸のとこが、えへんってなった。

そのまま棚の前に立ってたら、
まこるんに「葵、朝ごはん冷めますよ」って言われた。

午後は、トラック。

晴れてたから、100mを4本。
それから、走り幅跳びを6本。

100mは、四本とも風がなくて、
スタートしたら、あっという間。

幅跳びは、六本目がいちばん気持ちよかった。
砂に、ちゃんと足から入れたやつ。

夕方から、曇ってきた。

夕ごはんはオムライス。

きょうは、テーブルにタイマーがなかった。

一皿目、計ってもらえないの、
ちょっとだけ、さみしい。

でも、ふつうに食べても、おいしかった!

部屋にもどってからも、
ときどき、あの99:59を思い出す。

葵が計られてたわけでもないのに。

なんで葵が、得意になってるんだろう?

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

99:59

この日と前日の葵の日記より

葵が覚えているのは、計測を始めるボタンを自分で押したこと。止めた人は思い出せず、棚に残った表示を見て、自分の記録でもないのに得意になる。数字を出した側ではなく、始めた側として見ている。

計ってもらえない

この日の葵の日記より

計られて驚いていた一杯目が、きょうは「計ってもらえない」と少しさみしいものになった。数字を見る楽しみが、葵の夕食に加わっていた。それがなくても、オムライスのおいしさは残っている。

棚に残った99:59が実際の着席時間と同じかは、葵の日記からは分からない。
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