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足さない頁

キィ、と後ろのタイヤが鳴いた。

定常円。

同じ半径の円を、同じ速さで回りつづける。
ハンドルとアクセルで、円を細くも太くもしない。

それから、振り返し。
右回りの円から、左回りの円へ。

40分、それだけを繰り返した。

円が崩れるときは、音が先に変わる。
タイヤの鳴き方が、少し低くなる。

前半は晴れていて、後半は曇った。
路面が冷えて、鳴き方が、また変わった。

きょうは、タイマーを借りていない。

ノートの計測の頁は、開いた。
一行も、足さなかった。

月曜からの行が、そこで終わっている。

夕食は、オムライスだった。

計っていない。

七瀬が一皿目を何分で食べたのか、
オレは知らない。

七瀬は、知りたかったのか?

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

一行も

この日のルナの日記より

計測の頁を忘れて開かなかったのではなく、開いても足さなかった。食卓の動作は続いているが、数字としてノートへ残すことは止まった。七瀬の一皿目も、きょうは何分だったか知らないままだ。

知りたかったのか

この日のルナの日記より

計っていた間は、ルナが項目を選んで数字を渡していた。計るのをやめた夜になって、七瀬自身は数字を知りたかったのかと問いが残る。計れることの次に、計られる側が何を求めるかが気になっている。

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