足さない頁
キィ、と後ろのタイヤが鳴いた。
定常円。
同じ半径の円を、同じ速さで回りつづける。
ハンドルとアクセルで、円を細くも太くもしない。
それから、振り返し。
右回りの円から、左回りの円へ。
40分、それだけを繰り返した。
円が崩れるときは、音が先に変わる。
タイヤの鳴き方が、少し低くなる。
前半は晴れていて、後半は曇った。
路面が冷えて、鳴き方が、また変わった。
きょうは、タイマーを借りていない。
ノートの計測の頁は、開いた。
一行も、足さなかった。
月曜からの行が、そこで終わっている。
夕食は、オムライスだった。
計っていない。
七瀬が一皿目を何分で食べたのか、
オレは知らない。
七瀬は、知りたかったのか?