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指の腹に、ハンドルの縫い目が残っている。
14周。
曇りで出て、途中から晴れた。
路面が温まるにつれて、
後ろが離れる場所が、少しずつ奥へずれた。
きょうは、それを追いかけるだけで終わった。
夜、ノートを開いた。
月曜から書いた、計測の頁。
澪川の二秒と少しが、二つ。
七瀬の一杯目が、二つ。
夕凪の「ひゃ」と、久遠寺の線の束。
最後の行は、水曜の夕食で終わっている。
その下は、空いている。
頁をめくった。
次の頁のいちばん上に、
きょうの日付と、14周と書いた。
離れる場所が、奥へずれていったことも。
いつもの、走行の記録だ。
めくった頁は、もう見えない。