ばらばらの四つ
きょうは勝てると思ってたんだけどなぁ。
だって、朝ごはん、大盛りにしたんだよ。
ごはんもお味噌汁も、ぜんぶおかわりして。
それなのに、図書塔で、二回。
一回目は、本を開いてすぐ。
二回目は、お昼のちょっと前。
二回目のとき、まこるんは、
もうペンを止めなかった。
慣れちゃったのかな。
午後は、100mハードルを8本。
ハードルは、跳ぶたびにお腹に力が入るから、
鳴るひまなんか、ぜんぜんない。
ハードルの最中は、無敵なのにな。
夜ごはんは、ハンバーグ。
ナイフを入れる前に、白状した。
「きょう、二回鳴っちゃった」
そしたら、みんなが、
作戦をくれた。
まこるんは、「食べる時間を先に決めちゃえばいいんです」。
ちーちゃんは、あったかいお茶の持ち方。
両手で包んで、湯呑みの底に指をそえるの。
ルナっぴは、「鳴ったら鳴ったでいい」。
リンリンは、「お腹でぐらぐらするのは二流よ」だって。
ぜんぶ、紙ナプキンにメモした。
部屋に戻って、ナプキンを広げてみた。
時刻と、手のかたちと、
鳴ってもいいと、二流。
四つとも、向いてる方向がばらばら。
でも、ぜんぶ、
葵のために考えてくれたやつだ。
……ナプキンの角に、
ハンバーグのソースがついてた。