同じ数字
あと六日。
木曜は、走らない。
夜のラウンジで、
久遠寺が、ソファの反対の端に座った。
しばらく、どちらも喋らなかった。
「計時器、壊れたんでしょ。あんたも数えないの」
久遠寺は、何日か前から、
跳んだ数を数えていないらしい。
七瀬がそう言っていた。
少し考えてから、答えた。
「数えられないだけだ」
久遠寺は、ふうん、とだけ言って、
部屋に戻っていった。
数えないのと、数えられないの。
ノートに残るのは、どちらも同じだ。
周回数の欄の、数字が一つ。
ただ、オレは、部品が来たら、また数える。
部屋で、きのうの頁を開いた。
10、の横に、ペン先の点が一つ。
久遠寺は、どっちのつもりで聞いたんだ?