ASTRAEA ASTRAEA Academy
← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

出口

晴れていた。

サーキットの奥のコーナーは、午後になると、
出口のあたりだけ路面が白っぽく乾く。

15周、走った。

9周目と10周目に、同じコーナーで同じことを確かめた。
きのうと同じ確かめ方だ。

入口は、二周とも同じだった。
腰の下が軽くなるのを待って、来た。

出口で車が前へ出るところだけが、
きのうと同じように、少し違った。

どちらが良いかは、決めていない。
違う、ということだけが、手に残っている。

朝、ラウンジの掲示板に紙が一枚あった。
澪川の字だった。

本土へ頼むものがあれば、きょうの事務室まで。

読んだ。

事務室には行かなかった。
頼むものがない。

三十一日にオレが戸口で渡すものも、ない。
先週、そう言ってある。

紙の前で、七瀬と久遠寺が何か言っていた。
夕凪は、黙って紙を見ていた。
オレは先に出た。

夕食は、豚の生姜焼き。

あすは走らない。記録をまとめる。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

出口

この日の日記と前日の日記から

9周目と10周目、奥のコーナーで前日と同じ確かめ方をした。入口は二周とも同じで、腰の下が軽くなるのを待つと来た。違ったのは出口で車が前へ出るところだけで、それも前日と同じ違い方だった。どちらが良いかは決めず、「違う」だけが手に残っている。

12 25日 15 26日 ノートに書くのは周回数だけ

頼むものがない

この日の日記より

澪川の紙は読んだが、事務室には行かなかった。三十一日にオレが戸口で渡すものも無く、それは先週もう言ってある。紙の前で七瀬と久遠寺が何か言い、夕凪が黙って紙を見ているあいだに、ルナは先に出た。

前日には車庫で作業灯を一つ点けて、貸すとはまだ誰にも言っていない、と書いていた。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 トップへ 学園公式サイトへ