出口
晴れていた。
サーキットの奥のコーナーは、午後になると、
出口のあたりだけ路面が白っぽく乾く。
15周、走った。
9周目と10周目に、同じコーナーで同じことを確かめた。
きのうと同じ確かめ方だ。
入口は、二周とも同じだった。
腰の下が軽くなるのを待って、来た。
出口で車が前へ出るところだけが、
きのうと同じように、少し違った。
どちらが良いかは、決めていない。
違う、ということだけが、手に残っている。
朝、ラウンジの掲示板に紙が一枚あった。
澪川の字だった。
本土へ頼むものがあれば、きょうの事務室まで。
読んだ。
事務室には行かなかった。
頼むものがない。
三十一日にオレが戸口で渡すものも、ない。
先週、そう言ってある。
紙の前で、七瀬と久遠寺が何か言っていた。
夕凪は、黙って紙を見ていた。
オレは先に出た。
夕食は、豚の生姜焼き。
あすは走らない。記録をまとめる。