混ざったまま、動けた
日曜の朝、位置のしるしの周りの余白に、青緑の鉛筆で、〈初めて、って書いていい〉と、静かに書き足せた。一晩置いた後の朝、精度を守るためと、失敗…
日曜の朝、位置のしるしの周りの余白に、青緑の鉛筆で、〈初めて、って書いていい〉と、静かに書き足せた。一晩置いた後の朝、精度を守るためと、失敗…
プールサイドで、〈耳の後ろの水、抜ける方向、腰の高さと同じ〉の手つきが、昨日と同じ角度で身体の中で拾えた。屋内25mの3レーン、IM 200を1本、フ…
屋内25mコースの3レーンで、IM 200を1本、フォーム確認のペースで泳いだ。折り返しの位置のしるしを、平泳ぎからバタフライへ切り替える手のひらの向…
木曜。
水曜。
今日もいっぱい走った。
月曜。
日曜。 庭のベンチで千鶴の隣に、来週分の枠を開いた。 『同じ紙で、続けて』と自然に口に出せた。 金曜のラウンジで置いた言葉が、 屋外にも持ち…
土曜。 ラウンジで千鶴に『同じ紙で見せて』と言えた。 父の下では絶対に言わなかった言い方。 境界の消失を意味しない、共有のための同時性の言い…
金曜。 周期のログの表紙を、私の言葉で書き直した。 父の口ぶりの単語を消した。 共有のために開けると決めた以上、 表紙も揃える——一貫性のため…
木曜。 IM 200 を1本だけ、2:14.8。 想定内、って自分に言えた。 父の下では『1本』という数え方自体が許されなかった値だ。
水曜。 IM 200 、後半の切り替えを分解して練った。 父の口ぶりでは反復だったところを、 私の判断で分解に置き換えた。 周期の管理と一致する一…
火曜。 IM 200 、+0.2秒。 追わないと決めた日の値。 父の口ぶりでは『後退』だった数字が、 私の口では『足踏み』になる。 言葉の変換ができる…
月曜。 IM 200 のフォーム、自分のメニューで回した。 昨日の0.4秒を追いかけないと決めた。 追い込みじゃなく周期の管理、 と自分で言えたのは、…
日曜。 週の記録帳を月〜土で並べた。 IM 200 で0.4秒、背泳ぎの入りが柔らかくなった、 雑誌のフォーム試作、と項目を書き足す。 私の測定値、っ…
朝、食堂で凛に、昨夜の葵の反応を事実として伝えた。 押し付けじゃなく、報告として。 凛は、わざわざ言うことじゃない、 と返しつつ、聞いてよか…
食堂で葵に、数字話す時の顔好き、 と言われた。 動揺した。 父の下では『好き』が評価だった。 ここでは、単に好き、が真っ直ぐ届く。 そのこと…
IM 200を全力2本。 両方とも先週より0.4秒縮んだ。 父の下でのベストにはまだ届かない。 ただ、これは私の測定値、と呼べる初めての数字だ。 悪く…
廊下で葵に、郵便何? と聞かれた。 競泳雑誌、と答えた。 父の家では取れなかった、と続けそうになって、 途中で止めた。 開いたようで、まだ半…
火曜、閾値ペースまで押した。 IM 100×8本。 悪くない、と書きながら、そのあとで悪くないと三回書いた昨日を思い出した。 今日は書かない。